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腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)について

院長ブログ 腰の痛み

腰部脊柱管狭窄症について

この記事では、腰部脊柱管狭窄症についての当院における考え方を説明しています。

「長く歩くと、足が痛くなりとても辛く、買い物や旅行を楽しむことができなくなった」

「整形外科で腰部脊柱管狭窄症と診断され、手術しかないと言われた」

というお悩みを持つ人にぜひ読んでいただきたいと思います。



腰部脊柱管狭窄症とは?

腰の骨の中には、神経が通る「トンネル(脊柱管)」があります。

このトンネルが加齢とともにだんだん狭くなり、神経が圧迫されて症状が出るのが「腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)」と一般的には説明されています。

腰部脊柱管狭窄症の 主な症状

〇歩いていると足がしびれたり、痛くなったりする が、 少し休んだり前かがみになると楽になる(これを「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」といいます)

〇 足のしびれや力が入りにくい感じ

〇腰の痛み

〇重症例ではおしっこが出にくくなることもあります

腰部脊柱管狭窄症の原因は?

腰部脊柱管狭窄症の症状の原因としては、加齢により、腰の骨や腰の骨の間のクッション(椎間板)がすり減ったり回りを取り囲む靭帯(じんたい)が分厚くなっ たりして、神経の通り道が狭くなり、これで神経が押されて、足や腰に症状が出ると一般的には説明されます。

しかし、和歌山県立医科大学の 山田宏教授の研究によると、研究に参加した40歳以上の男女1690人のうち、約80%の人がMRI検査などの画像上で脊柱管狭窄がみられたが、症状を有する者は約10%に過ぎなかったと報告されています。

https://kaken.nii.ac.jp/ja/file/KAKENHI-PROJECT-22591639/22591639seika.pdf

以上の事から、MRIなどの画像検査の結果が、必ずしも症状に結びつくとは言えないとも考えられます。

腰部脊柱管狭窄症の治療法は?

脊柱管狭窄症の治療法は、保存的な治療手術治療に大きく分けられます。

和歌山県立医科大学の 山田教授の研究によると、腰部脊柱管狭窄症は自然軽快する例が実際に多く軽症〜中等症例であれば、生活指導や運動療法で長期にわたり手術不要なケースも多いとのことでした。

https://kaken.nii.ac.jp/ja/file/KAKENHI-PROJECT-25462305/25462305seika.pdf

山田宏教授は、この論文の中で、一般的に、腰部脊柱管狭窄症による神経障害は急激には進行しにくく、「良性疾患」であると報告されています。

病院で脊柱管狭窄症と診断され、「ドクターから手術でしか治りませんと言われた」というお話は、接骨院や治療院の現場で働いていると良く耳にします。

ただ、この研究結果を参考にさせていただくと、保存的治療にも期待はできますし、当院にも良くなっている患者様は実際にいらっしゃいます。

これは、手術による治療を全否定しているわけではありません。

たとえば腰部脊柱管狭窄症の重症例(〇歩行距離が著しく短い、〇安静にしても下肢痛が強い、〇排尿障害など馬尾症候群の兆候がある)などの場合は、手術を遅らせることで予後が悪化
することもあり、「良性疾患」と一括りにするのは危険だ、とも他の研究では報告されています。


その方お1人お1人のお身体の状態を見極め、治療法を選択することが最も重要なことだと当院は考えます。

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