新着情報

新着情報

News

【ひどい肩こりにお悩みの方】なぜ肩こりは繰り返すのか?その理由と対処法を徹底解説!(理論編)

院長ブログ 肩こり

【ひどい肩こりにお悩みの方】なぜ肩こりは繰り返すのか?その理由と対処法を徹底解説!(理論編)

こんにちは!暑い日が続きますが皆様いかがお過ごしでしょうか?大型台風が上陸し各地で大きな被害が心配されますが、ご無事に過ごされることを願っています。


院長の「日々の臨床ブログ」第2回目は、女性でも男性でも身体のお悩みランキングのTOP1に入る「肩こり」について、当院で行っている治療や、日々の対処法などを「理論編」と「実践編」の全2回にわたってお届けします。


このブログを読めば、自分の肩こりがなんでいっこうに良くならないのか、マッサージや鍼灸治療を受けると、その時は楽になるがまたすぐに痛みが戻ってきてしまうのはなぜか?がわかります。


原因がわかれば、対策は立てやすくなるため、お悩みの解決に一歩近づきます。 専門的な内容も入ってきますが、できるだけわかりやすく書きました。


それでは見て行きましょう!
                                

 目次

1【ひどい肩こりにお悩みの方】なぜ、治療を受けても肩こりが良くならないのか?



肩がこる原因、辛い症状がでる原因とは?


そもそも肩がこる原因、辛い症状がでる原因はなんなのでしょうか?


「マッサージや鍼灸治療を受けると、その時は楽になるんだけどまたすぐにつらくなっちゃうんだよね~」
、というお声を良く聞きます。


小林製薬のホームページによると、肩がこる原因は、肩の筋肉の血行障害であると説明されています。

簡単に説明すると、同じ姿勢でのデスクワークや長時間のスマホ操作ストレスによる緊張運動不足などに加えてエアコンなどの冷えが加わると、身体の緊張状態などを調節している自律神経に不調が生じます。


自律神経の不調により、血管が収縮し、肩・首回りの筋肉は血行不良状態となります。


筋肉の細胞は、血液から新鮮な酸素をもらって呼吸することでエネルギーを生み出しているため、血行不良の状態が続くと筋肉の細胞は酸欠状態になります。


この酸欠状態に対するSOS信号が神経に伝わり、さらなる緊張状態を生み出します。


その負のスパイラルが続くことで、最終的に痛みやだるさの原因となるのです。


したがって、肩こりの痛みやだるさを解消するには、なんらかの方法で血行を良くすればよい!ということになります。


そう考えると、マッサージ、鍼灸、サウナで身体を温める、運動して血行を良くするなどは、どれも肩こりによる不快な症状を緩和するのに役立ちます。


ただ、これらの対策は、どれも肩こりの症状に対する対策であって、そもそも肩こりの原因に対する対策ではありません。


血行障害を回復させるのには有効でも、血行障害を起こす原因にはアプローチできていないということです。


それこそが、マッサージや鍼灸治療を受けても、サウナに行って身体を温めても、運動しても、一時的に楽にはなるけれどまた日常生活に戻ると症状がぶり返してしまう理由です。


それではどうすれば、血行障害を起こす原因にアプローチして再び肩こりがぶり返さないような身体の状態を作ることができるでしょうか?


それには肩こりがおこるメカニズムについて、姿勢の観点から考えることが大切です。


2【ひどい肩こりにお悩みの方】肩こりとはどういう状態なのか?


まず、デスクワークでの姿勢について考えてみましょう。


デスクワークの時の姿勢はこんな姿勢です。



肩が前に
出て、肩甲骨は広がって背中が丸くなり、頭の位置は肩より前に出ています。


この状態で長時間仕事をしている事を想像してみてください。


身体の前側の筋肉は縮まっていて、背中側の筋肉は常に伸ばされている事がわかると思います。


常に引き延ばされるような刺激は筋肉によってストレスとなるため、神経が緊張し、血行が悪くなり、、、という負のスパイラルに陥ってしまいます。


ですので、「肩こりを解決するには良い姿勢を続ければよいんだ!」という話になりますが、長年同じ姿勢でずっと生活してしまっている身体は、そもそも良い姿勢を維持できるような状態ではなくなってしまっています。


さらに、この身体の状態に対する施術者側の理解不足も原因の一つです。


うつ伏せ状態で、上から押すようなマッサージを受ける、鍼灸治療を受ける事が多いと思いますが、そもそも縮まっていて伸ばさないといけない、緩めないといけない筋肉は、背中側ではなくて身体の前側ですよという話です。


背中側の筋肉は常に引き延ばされていて、ストレスにより緊張状態になっているのに対して、そこをさらに引き延ばすような刺激を与えてしまうのは逆効果です。


筋肉が固いから、緊張しているからという理由でそこを緩める、ほぐすという治療は、血液循環を良くするという観点からは効果的で一時的に症状を緩和させる事にはつながると思います。


しかし、姿勢を改善して、根本から肩こりを改善するという観点から考えるとまだ不十分と言えます


マッサージをした後でバキバキと背骨を鳴らす治療もよくありますが、これも、身体の前側をしっかり緩めて背骨がしなりやすい状態を作ってからの話であって、やみくもに背骨を鳴らす治療だけでは根本的な問題は解決しません。

同様に、骨盤のゆがみを治して肩こりを解決しましょう!という提案も少し足りていないように感じます。


したがって凝り固まって縮まってしまった身体の前側の筋肉を緩めて、いかに良い姿勢を作ることができるかがカギとなってきます。


「こり」とはどういう状態なのか?


次に、そもそもコリというのはどういう状態なのか?という事を考えないといけません。


コリというものは、筋肉が縮まって固まっている状態だと思っている方が多いのではないでしょうか?


それは、半分正解で、コリというのは確かに筋肉が緊張している状態なのですが、筋肉というものは単独で緊張することはないという事実を知っていただきたいです。


結論から申し上げますと、コリというのは、隣あった筋肉同士またはその他の組織がくっついてしまい自由に伸びちぢみができなくなり緊張してしまっている状態の事を言います。


この自由に伸びちぢみができなくなった状態のことは滑走不全(かっそうふぜん)または滑走障害(かっそうしょうがい)と呼ばれています。


滑走不全(かっそうふぜん)とは?


人間の身体を立体的にみると、このような状態になっています。
(身体の断面図)


身体の一番表面が表皮として、皮下組織、筋膜(筋肉を包んでいる膜)になるほど身体の深部になります。


さらに詳しく身体の中を見てみると、実際にはこのように明確に層として分かれているわけではなく、細かい繊維によってつながれお互いの動きに対して連携しあう構造をしていることがわかっています。



上の写真は、実際の皮膚をめくった身体の中の写真ですが、細かい蜘蛛の巣の繊維のように張り巡らされている繊維が雨上がりの日の水滴のようにキラキラ光って見えます。


この細かい繊維の事は、現在「fascia(ファシア)」と呼ばれています。


faciaは、身体中に張り巡らされたコラーゲン主体の繊維で、人体のネットワークを構成しています。


当然、筋肉を包んでいる筋膜の構造としても多く含まれているため、筋膜=fasciaのように使われている事も多いですが、実際は、筋肉を包んでいる膜だけではなく組織と組織の間にあるこの繊維構造の事を含めて「fascia(ファシア)」と言われています。


ただ、日本語では「fascia(ファシア)」の事を訳す言葉がないため、わかりやすく筋膜という言葉が用いられていることが現状です。


私たちが、なんの違和感もなく身体を動かすことができるのは、皮膚、筋肉、神経、骨などの組織がお互いの動きを邪魔しないようにしているからです。


この組織がお互いの動きを邪魔しない性質のことを滑走性(かっそうせい)と言います。


滑走不全とはすなわちこの「fascia(ファシア)」が滑走性を失った状態の事を指します。


滑走性(かっそうせい)がある状態と滑走不全の状態の違い



滑走性が良い状態というのは、皮膚の状態で簡単に確認できます。


まずは自分の手の甲の皮膚をつまんでみてください。


手の甲の皮膚は比較的用意につまめますし、つまんでも痛くない方が多いと思います。


次に、自分の腕の皮膚をつまんでください。


手の甲ほどには上手くつまめないのではないでしょうか?皮膚だけをつまもうとすると、ピリッとした痛みが出て上手くつまめないと思います。


もし、「私は上手くつまめるよ!」という人がいれば、そのつまんでいる皮膚とその下の組織の滑走性は非常に良いという事になります。


この皮膚の滑走性というのは非常に重要で、多くの血管やリンパ管、神経は皮膚とその下の皮下組織の間にあります。


よって、皮膚と皮下組織の間の滑走性が悪くなるという事は、それだけで血行が悪くなり神経にストレスを与える原因となります。

こちらの写真を見てください。

バンドのようなものがたくさん見えます。

上の写真は、いわゆる癒着(ゆちゃく)といわれる状態に近い写真です。


先ほどの細かい蜘蛛の巣のような繊維がは全くみられず、束になってくっついていて、いかにも固い印象を受けます。


同じ姿勢を続ける事や、使いすぎで筋肉に炎症が起こってしまったあとに「facia」に癒着が生じ、このように固く集まったバンドのような構造になると言われています。


このfasciaの癒着こそが、滑走不全の根本原因であり、肩こりの真の改善のために解決しないといけない治療ポイントになります。


私たちは普段身体の中を見ることができないのでわかりませんが、自分の身体の中には常にこのような変化が起きているという事を知っておく必要があると思います。


私は、この滑走不全という考え方を知って、それまで臨床の中で抱えていた疑問が解消しました。

3 肩こりを改善させるにはどうすればよいか

ここまで、出てきた話を総合して、それでは肩こりをどのようにして改善させていけばよいかをようやくお話できる状態になりました!お待たせいたしました。


肩こりを改善するには、①不良姿勢を作る原因となっている身体の前側の滑走不全を解消し、良い姿勢をとれる状態を作る ⓶良い姿勢を維持できる筋力をつける ③滑走状態が悪くならいようにエクササイズで維持する。


この3つのサイクルが上手く回る事が大切です。


それぞれのパートにわけて説明していきます。


①組織の滑走性を回復させ、姿勢を良くするために骨格の状態を整える


これは、癒着している繊維組織をリリース(引き離す)必要があります。


よく、筋膜リリースと表現されますが、一般的に紹介されてる筋膜リリースは、筋膜リリースではなくストレッチやマッサージであることが多いので注意が必要です。


代表的なのは、このような器具を使って、身体のこっている所を、グリグリと伸ばすようにほぐす方法です。



これも筋膜リリースと紹介されることが多いです。

しかし肩だけに限らず、コリを感じているところをこのような器具を使ってグリグリほぐすというのは、先ほどの滑走性を良くするという観点から考えるとむしろ逆効果です。

身体に癒着(ゆちゃく)を生み出す原因になるので、やりすぎには注意してください。


しつこくグリグリと刺激を与え続けた結果、癒着がひどくなりかえって症状が悪化しているケースもたびたび見られます。


本来、組織の滑走状態を良くするには、上から押すではなく引きはがすような方法でなければなりません。


また、筋肉を上から押しつぶすのではなく、張り付いている組織の間を開くように指を滑り込ませていき癒着している組織をこすり取っていくような技術が必要です。


これにより、癒着が解消し、組織同士の滑走性は回復します。


滑走性が回復した瞬間、今まで緊張していた筋肉は一瞬でゆるみます。


筋肉が緩めば、縮まっていた筋肉に引っ張られていた骨格は自然と正常な状態に戻ろうとします。


まず、この自然な骨格を作れるようになるというのが肩こりの改善の第1歩です。


当院で行っている肩こり施術は?


当院で行っている肩こり施術は、まず皮膚の滑走性が悪い人は、メディセル筋膜リリースという施術を最初に行います。


最初に皮膚とその下の組織の滑走性を改善させておくことで、さらに深部の筋膜と筋膜の間の滑走性も改善させやすくなるためです。

メディセル筋膜リリースとは


吸引を加えて皮膚とその下の筋膜を持ち上げ、滑走状態を良くし血行状態、筋肉の緊張状態を改善させます。


そして、筋肉同士、筋肉と骨、筋肉と神経といったように、より深い部分の癒着に対しては、正確な触診で細かく指を滑り込ませ組織の癒着を直接解消する手技により回復を試みます。


かなり緊張が強い部位に対しては、マッサージを行い、少し指が入りやすい状態を作ってからさらに奥に侵入して癒着の解消を狙います。


皮膚や、筋肉の滑走状態が良くなり、身体の動かしやすさが出てきた段階で、骨格を調整するカイロプラクティックの技術を用いてお身体のゆがみを正します。



また、身体の動きを改善するストレッチやエクササイズでさらに良好な状態を作っていきます。


この時点で、肩回りの症状が改善されるのがかなり実感していただけると思います。


ここまでの段階が、真の肩こり改善に向けた最初の基礎、土台になります。

⓶良い姿勢を維持できる状態を作る

長い間続けてきた不良姿勢は、身体の癖として刻み込まれています。


当然、良い姿勢を維持するために必要な筋肉がいままで使われておらず弱っているため、良い姿勢が取れるように、今まで使っていなかった筋肉をトレーニングしてあげる必要性があります。


この段階では、良い姿勢を維持するための筋力を鍛えるトレーニングを行います。

③滑走状態が悪くならいようにエクササイズで維持する


身体の状態がよくなり、以前感じていた肩こりが最近感じられなくなってきて快適な日々が過ごせるようになったとしても、お仕事や生活の環境というのはなかなか変わるものではありません。


症状の再発を防ぐには、日々のお身体のメンテナンスご自宅でできるセルフケアが非常に重要です。


特におすすめなのが身体の前側を広げるストレッチポールエクササイズです。


毎日少しの時間でもよいので、ストレッチに取り組んでみてください。


セルフストレッチのみでは、どうしても改善しきれないお身体の癒着(ゆちゃく)というのは生活を続ける以上どうしてもまた出てきてしまいます。


そのため、ひと月に1度程度の施術をお身体のメンテナンスとしておススメしています。


以上の1~3のサイクルが上手く回っていくことで、真の肩こりの改善が可能となります。


多くの場合は、①の段階で間違った施術、治療を受けているため、その後ストレッチやトレーニングに取り組んでもなかなか肩こりの改善までにはいたっていないのが現状です。


また、たとえ一度良くなったとしても、日々のメンテナンスが習慣化していないため、数か月するとふたたび辛い症状が出てきてしまうのも良くわかりますね。


毎日、毎日辛い肩の痛みに悩まされていたのが、月に1回のメンテナンスで快適に毎日を過ごすことができれば人生がとても豊かになっていきます!


4【まとめ】【ひどい肩こりにお悩みの方】なぜ肩こりが治らないのか、その理由と対処法を徹底解説!(理論編)

今回は、自分の肩こりがなんでいっこうに良くならないのか、マッサージや鍼灸治療を受けると、その時は楽になるがまたすぐに痛みが戻ってきてしまうのはなぜか?について説明させていただきました。

理論中心でお伝えさせていただきましたが、肩こりを改善させるための具体的な手順や方法についてなんとなくわかっていただけたでしょうか?


肩こりの改善には、①組織の滑走性を回復させ姿勢を良くするために骨格の状態を整える⓶良い姿勢を維持できる筋力をつける③再び悪くならないように身体の機能を維持するトレーニングを続ける


この①~③のステップで治療をすることが大切である事がわかっていただけたと思います。


次回は実践編で具体的なエクササイズをご説明します!


いつまでも続く、肩こりの症状にお悩みの方は、是非当院にご相談ください!


バイバイ(^_-)-☆




PDFはこちら